2013年12月15日日曜日

『テイルズオブエターニア』

すげー面白い。アクションをやりたい気分の時にペルソナ3と平行して進めようと思ってたんだけど、こればっかやってるくらい熱中してる。

まず起動した時のOP!GARNET CROW最高だわ。
ファラとメルディも動いて喋ると可愛い。特にファラの声はヤバい。
スキットもいいね。全部見ながら進めてる。

2Dテイルズには初めて触れたんだけど戦闘楽しい!最初こそぎこちなくて動かし方に悩んだけど、どう攻撃の隙を無くすかを考えてると戦うのが楽しくなってくる。通常攻撃と必殺技の組み合わせで簡単操作のお手軽コンボも出来る。技をたくさん使うと新しく覚えてくシステムもいろんなの試せるからいい。
あんまり攻撃ばかりしてても硬直多いしかなりダメージ食らう。結構死にながら進めてる。難しい。
でもチェックポイント制は好きだから死んでも気にせずやり続けられる。楽しい。
全滅したときにセーブ忘れてたからすげー戻される、みたいのは個人的には好きじゃないなぁ。昔のゲームはしゃーないけどね。
このゲームは全滅したときにリトライとロードを選べるからストレスフリー。(たまにチェックポイント触るの忘れる)

今はちょうどセレスティアに来たところだけど、ファラがいいなぁ。底抜けに明るいんだけど陰のあるキャラクターはこの先どうなるんだろうってすごい気になる。
シナリオも、世界を救わなきゃ!→王に報告してパパっと終わろう!みたいな流れがとても自然w
ボリュームは若干少なそう?な感じするけど、まぁもう少し遊びたかったってくらいがちょうどいいかなー。
動きの試行錯誤を繰り返して、新しい技を覚えて、 街では武器防具を購入して、適当なとこ調べるとアイテムあったりミニゲームが豊富だったり、合間にスキットを見て、シナリオを楽しむ…とやってるとそれだけでゲームが進んでくからダレるところ無いわ。 使用キャラも変えれるし。

いやー、テイルズはGC版シンフォニア、箱○版ヴェスペリア、PSP版エターニアとやってきたけどどれも楽しめてていいねー。いいゲームだ。いろんなテイルズやりたくなる。PS3版エクシリア積んでるけどやろうかなぁー。

2013年12月10日火曜日

『Hammerwatch』



 『Hammerwatch』はSteam Greenlightに登場した時にPVを見て、そのレトロなグラフィックと爽快に敵をなぎ払う魔法、ダンジョンに仕掛けられた謎解きに役職が複数ある4人coopと、それらの要素に惹かれて気になっていたゲームだった。折角チェックしていたのでと、セールが来た時に購入。価格は$3.39。
 このゲームにはストーリーがあるわけでもないので英語のままでも特に問題は無い。どれくらいストーリーが薄いかというと、冒頭で「後ろの橋が壊れてしまった!先に進むしかない」と書かれるだけ、というくらいの薄さだ。ただ洞窟を潜るだけ。




 ジャンルは謎解きダンジョン系の見下ろし全方位アクション。4人までのcoopも出来る。ハクスラっぽく見えるけどそんな要素は特に無い。全方位STGではなく右スティックと左スティックの役割は一緒。キャラクターは4種類で、Paladin,Wizard,Ranger,Warlockがいる。攻撃方法は剣、魔法、弓、魔法+近接攻撃。それぞれに通常攻撃とスキル攻撃がある。




 マップは慣れるとそれなりに使える。だが拡大率やらを変えれず自分の周りだけしか見えないし階層もコロコロ変わるので、 この鍵はどこに使えるんだっけな…という時には結局歩き回ることになる。見えていない部分は隠されているのだけど、かなりの広範囲が見えてしまって、オブジェクトも親切に表示してしまうので、あまり探索している感じがしない。一応ミステリールームはあるけど、そんなに大したアイテムは手に入らないので、見つけた時の興奮は薄い。




 ライフやマナ、スキル攻撃などは全てお金で購入。道中は基本的に敵を倒しお金を回収しながら鍵を探して進む。たまにショップがディスカウントされるメダルや残機を増やせるアンクが落ちていることもある。宝箱もあるのだがこのゲームには武器や防具という概念が無いので、そういったハクスラ要素を期待すると裏切られることになる。さらに経験値の概念もなく、敵を倒すことでレベルアップするわけでもアイテムドロップするわけでも無いので、結局このゲームの敵は障害物でしかなく、出来るだけ避けながら邪魔な敵だけを倒して進むことが最善になる。全部倒してもいいのだが、見返りが無いので次第に倒すのが面倒に……。




 敵を無視して進んでいくとみんな着いてくるのでどんどん増えていく。このゲームは小さい敵がわらわらと大量に湧くので、小部屋に入ると大変なことになる。しかし敵は真っ直ぐ自分を目指して歩いてくるだけなので、上手く立ち回れば角に待って一体ずつ処理していくことも可能。またマナを溜めてスキルを利用し一気に倒す手もある。ぐるぐる回りながらトレインして敵を少しずつ減らすことも出来る。いずれにせよコインをチャリンチャリン拾いながらザクザク攻撃し、スキルで大量の敵を吹き飛ばす無双感は楽しい。
 だが楽しむ要素はそれしかない。そういった土台は作られているのだが、残りはアップデートとユーザーMOD頼り。

(coopはまだやっていないのだけど、味方が増えて資源を奪い合うようになり、思い思いに敵を倒しながら進むことになるだけだろう。特に役職ごとに使い分けて戦うような戦略性も見つからない。それでもみんなでわいわい敵を潰しながら遊ぶならそれなりに楽しめるとは思う。)

→書き直し
  シングルプレイ用のバランス調整はされておらず、巣穴の周りからは大量の敵が湧いてくるので一人で潰そうとするとかなりつらい。やはりcoopゲーと割り切ることが必要だ。複数人でやるにはたくさんの敵がいてちょうどいいと思う。
 
(似たような作品として挙げると、Legend of Grimrockは古き良きゲームながらグラフィックは現代風に強化しており、さらに凝った仕掛けとシークレットルームにバリエーションのある敵。それ単体でも十二分に楽しませるものが完成していた。
 だがHammerwatchはグラフィックこそ解像度が高くなっているものの、古いゲームの作り込みを減らしたリメイクでしかない。少人数で開発費もあまりかけずに作っているので、そこまでの完成度は求めるべきでもないというのも理解は出来る。)

  あくまでもcoopとMODでの拡張性が売りなので、これをただ単に遊ぶだけの価値は無いように思う。
  最近流行りの廉価なインディーズゲームは、アップデートやMODでの拡張を見越して作っているのだろう。実際、発売以降に役職が一つ追加されているようだ。まだまだ魅力は少ないが好きなジャンルなので、是非頑張って欲しい。これからの開発陣の頑張りと、ユーザーMODの盛り上がりに期待したい。

2013年12月4日水曜日

『ペルソナ3』に触れて

[いい点]
音楽。サウンド、攻撃の効果音がいい。連続して攻めることが出来るシステムもあいまって爽快感がある。弱点を突いて連続攻撃するのがアクションみたい。
プレスターンバトルやられ過ぎることもやり過ぎることもなく、初見のフロアボスでも妥協せず倒そうとするとなかなか熱い戦いが出来る。
不安視していたのが、初見の敵は弱点をまず探り、一旦全滅して弱点を覚えてから再戦し、余裕で倒す、の繰り返しになるのではないかだったのだけど、アナライズを活用すれば初見でも対応が出来た。
全滅しそうなところからアイテムを利用したて直し、弱点を攻め立てて倒したバトルは高揚感が得られた。
アナライズの仕組みは調べてみるとどうやら3は経過ターン数で、4は攻撃を当ててデータを蓄積していくらしい。個人的にはいい方向に改善されたなぁと思ってる。
主人公のみペルソナを変更しながら戦えるのもポイントが高い。
ペルソナ育成・合成は面白味を感じる。
ペルソナ育成を楽にするためのコミュシステムもいい。(しかしコミュが男とばかり発生しているのが困る
技を継承したりランダムに技を覚えたりスキルカードがあったりは楽しい。
ラッシュ(オート戦闘)の快適さが抜群。演出カットは無いけれど、これでも十分テンポが良くなって楽しめる。戦闘中ほぼいつでも押せて行動も早送りになり気持よくバシバシ攻撃が決まっていく。
一般的にMPを消費し、属性も使い分けることの出来る魔法は、物理と比べ使い勝手が良く強めになっているRPGが多いのだけれど、この作品は必殺技をHP消費にし、物理にも三すくみの特性を持たせることでそれを解決している。無効・吸収の多いピーキーなバランスでも成立するのはそのおかげだろう。

[悪い点]
ベイベベイべ言い過ぎ。
P4Uで知っていたキャラは良かった。だけど他のキャラがみんなモブみたい。魅力が無い。P4Gのキャラは好きだからその点において早くそっちをやりたくてしょうがない。伊織の勝利アピール嫌い。さっすが俺~やったぜ俺~みたいの。
全滅してからのリトライはテンポが悪い。他と比べて全滅の多いゲームだからリトライもしやすくしておいて欲しかった。タイトルに戻らず直接最新ロード読み込みとか。ゲームオーバー時の演出はカッコいい。
セーブポイントもテンポが悪い。
タルタロス登頂は世界樹の迷宮みたいなセーブ、帰還システムだと楽しいんだけど、これはいまいち。ほぼいつでもセーブ出来るようなもんの割りにいちいち戻らなくてはいけない煩雑さがある。
まだ一つの階層が短いからそう感じる、というより、世界樹がそこを改善してきたのだろうか?
タルタロスは一回で制限まで登り切ってしまう。間を繋ぐコミュでダレる。ポータブルでいろいろと改善されてるとはいえこれじゃあちょっと。
ただコミュと戦闘を融合させたシステムは評価に値する。だがそのバランスが悪い。
ペルソナ2はどうだったんだろ。わからないけど。多分P4Gは良くなってるのでしょう。
シンボルエンカウントは個人的に好きで、気を抜くとフィールド上にいる敵を全部虱潰しに倒してしまう。しかし、シンボルエンカウントにつきものの先制攻撃とか敵の奇襲、これはそんなに楽しい物なのかな。せめて攻撃出さなければ通常エンカウント、なら構わないのだけど……。


PS:
ところで殻ノ少女のブログタイトルを"~を終えて"にした流れで、"~に触れて"にしたのだけれど、別に感傷的でもないゲームにこのタイトルを使うことは非常に違和感がありますね。どうでもいですけど。でも統一感持たせたかったんです。

PS:PS:
これを書いてからもう少し進めたところ。
戦闘の難易度が上がってきた。気を抜くと開幕でウィークポイントの全体魔法連発で死ねる。でも主人公だけがペルソナを変更出来るってシステムはまぁ良かったかな。全キャラが変更出来るってのも個性が無いし。
危惧していた初見の敵はまず弱点を探りながら全滅し、弱点さえ見抜けば余裕で倒せてしまうようなバランスは、それに近くはあるけどアナライズやペルソナ変更のおかげで軽減されてるかな。あとシャドウ(敵)の見た目やら経験則からある程度予測出来るから楽しめる。
とはいえここら辺はクリアするまでなんとも言えないかも。システムを利用したオーバーパワーで蹂躙する楽しさは、翻って敵に蹂躙されるストレスにもなり得るので、何も出来ず全体魔法でフルボッコにされることが増えるとどうだろうか。特にシンボルエンカウントで敵にアドバンテージを取られやすいシステムなのが問題だ。もちろん対策は取れるのだけど、不意打ちで殺されることも多いのでセーブはこまめにする必要が出てきそう。やはりタルタロス登頂でのセーブシステムに、あまり面白味の無いことが痛いように思う。
ただフロアに一体いるだけのシンボルエンカウントのみなので階層で敵を避け続けてただ進むということも出来てしまう。そしてそれを目的にすると敵のアドバンテージアタックが鬱陶しい。ちぐはぐ。
直接的に関係があるのかはわからないけども、やはり世界樹のシステムはよく練られていると実感する。完成度の高さと面白さは比例しないのだけれども。

2013年11月27日水曜日

『デビルメイクライ』に触れて

 DMC1が面白い。システムに多少不満はあるけれどもそれを忘れるくらい作りが丁寧だ。


 アクションゲームというのはどれだけ自分をカッコ良く見せてくれるのかが肝である。
このジャンルで初心者が陥りがちなガチャプレイ・ボタン連打・遠距離武器でのチキンプレイ。
そのどれもがスタイリッシュではない。勿論クリアを目的にするとそういったプレイスタイルに走ることもあるだろう。だがアクションゲームをプレイしている人はたとえ初心者であっても、よりスタイリッシュに、よりカッコ良くプレイしたい!と考えながら遊んでいるに違いない、と私は思っている。

 それをゲームシステム側から歩み寄った結果生み出されたのが、このスタイリッシュランクである。リアルタイムにゲームプレイが評価されていくので、否が応でもその評価を高めようという意識を持つ。そしてそのスタイリッシュランクを上げるための工夫をしていくと、自然とスタイリッシュに、より上級者らしく立ち回ることが出来てしまう。
 また、考えなしに連打をさせるプレイの抑制に、ボタンを押すタイミングを少し遅らせると違うコンボルートに進むというシステムがある。
 これは非常に効果的で、まずテンポを遅らせてボタンを押させることで乱戦の最中でも冷静に落ち着いて対処出来るようになる。人間、手元が忙しいと判断にも焦ってしまうものだ。その状態でも自分のリズムを崩さずに反復させることは、頭を冷やし冷静な判断力を維持することにも繋がる。
 手元のリズムを覚えた頃には、戦況を伺い複数の敵の動きを察知しながら戦えるようになっている。リズム良くボタンを押す丁寧さがあれば、眼前の敵への攻撃に集中しすぎて周囲を疎かにすることも減る。さらに、スタイリッシュランクはダメージを受けることで途切れてしまうので、より一層回避への意識を高めることになる。
 結果的に、常に緊張感を持つことが出来、ワンプレイの質を高め、スタイリッシュランク維持のための創意工夫が実力の向上にも繋がるという、一石二鳥、三鳥のシステムになっている。

 一つ、私がこのゲームで気になったことがある。それはカメラワークだ。現代と当時では感覚が異なっているかもしれない。バイオハザードの亜種として生み出されたこのゲームが、似たようなカメラシステムを備えていることは必然だっただろう。プレイヤーに追従してくれる親切なオートカメラは当時あったのだろうか。私はあまりゲームの進化の流れに詳しくないので寡聞にして知らない。
 けれどもこの固定カメラはアクションの激しい動きには耐えられない。そこが少し残念だった。だがそれも初代なのだから容認しよう。
 また、この固定カメラは独特なゲーム性であるとも言える。 見やすい位置をキープしながら立ち回ることにも趣きはある。カメラワークを自分で操る感覚に慣れてしまっているからストレスになっているだけで、そもそも動かせないものであれば自分が見やすく有利になるよう立ち回ることに意識を向けるだけである。固定カメラならば親指を右スティックに置く必要も無くなり、カメラ操作の煩雑さは切り捨てることが出来る。しかしながらこのカメラワークでアスレチックをこなしていくのは骨が折れる。そこだけは擁護出来ないが……。


 私はゲームバランスを崩壊させる武器の使用を、自ら控えるような縛りプレイをすることが好きではない。ゲームシステムに則っている以上出来る事は全て自由である。強い武器は積極的に使い、楽なスコア稼ぎは積極的に行う。そういったプレイをしているからゲームがつまらなくなる、というのはプレイヤーの責務ではない。それは製作側の落ち度である。
 しかし、それを踏まえた上で、システムがプレイヤースキルの向上を促すゲーム、最大限に楽しませるために導く導線、それこそが目指すべきゲームシステムのあり方だと思っている。抜け道を利用することは何も悪いことではない。それを許してしまうシステムが悪いのだ。

 今時はインターネット上に様々な攻略情報が落ちており想定外の事態も起こり得るかもしれない。だが、基本は全てをゲームの中で完結させるべきである。それは製作者、プレイヤー共に忠実に守るべき戒律だ。(例外もあることは否定しない
 ゲームの中で学びゲームの中で成長する。それを促すゲームシステムこそが、作り上げられたゲームの世界を完璧へと近づけるための礎を築いている。

2013年10月16日水曜日

『殻ノ少女』を終えて

TrueENDまで終わり。Innocent Greyの作品は初めて。
自分用の備忘録としてここに感じたことを残す。
殻ノ少女虚ノ少女について、特に配慮せずネタバレするので未プレイ者注意、というか見ないでくれ










































 強烈に来るようなワンシーンというのは無かったけれど、作品全体に漂う静謐な雰囲気を醸し出すCG、音楽、テキストのどれもが良質で、最初から最後まで没入できた。
 古風な文体については、時々見られる程度で中途半端かな?とも感じたけど、あまりガチで書かれても読みづらいからこのくらいがちょうどいいんだと思う。
 ストーリーについては、どうやら魍魎の匣に酷似しているらしい。まだ読んでいないので、 どの程度なのかはわからない。
だがこの猟奇的なシナリオには怪奇幻想の美しさがあると首肯せざるを得ない。江戸川乱歩の作品名を章題に用いたのはきっとその素晴らしき怪奇幻想の世界を表現したいのだという意思の現れであろう。
 私はグロテスクな解体シーンを見せられながらも、殻ノ少女たちにある種の美しさを感じてしまった。そこには宗教的な美が存在していた。
真犯人である六識命が裏で糸を引き、カウンセリングを通じ二人の犯人を煽動した。
その根底に存在する間宮心像の美学、それは伝播し、派生していった。
この作品の構成には感嘆させられてしまう。

 作中で特に印象的だったシーンは、
冬子が一人彷徨い湖の中に立つシーンと、
 



やはり殻ノ少女の絵とラストの雛が飛び立つシーン。


 本作でのテーマである冬子という少女について、自分なりに軽く考察をした。

 TrueENDの冬子を抱く選択肢では、絵が完成していた。絵が完成したからもう少し手直しをしたら見せてあげるよと言い、実際に最後には絵を見に行った。
 

対して抱かない選択肢を選んだときには、同じ場面でも絵が完成したとは告げていない。最後の選択肢も現れず、恐らく絵は完成しなかった。
また、虚ノ少女に関して少し調べると、どうやら冬子は妊娠していた(重大なネタバレだから一応反転して伏せる)らしい。

 私は殻ノ少女というのはそのまま冬子が殻であることを示し、青い雛はその子どもを表現しているように思う。
結局どのエンドでも冬子の依頼の答えを伝えることは出来なかった。
しかし、あの絵には次代への切なる願いが託されている。
 

好きな会話とか。 
 

紫はしっかりものだけど変人で可愛い。

 
ところでどのエンド行ってもあの子死んでるのつらい。スキップで何度もあのシーン見せつけられた。てっきりどこかで救われるものだと思っていたのに。一番気に入ってたのかもしれない……。

(ちょっと違うスクショはiPhoneでリモートデスクトップで進めてる時にキャプチャした)

2013年3月29日金曜日

夢遊病患者

煌々と照る月明かりの中、象のいななきのように高く伸びるクレーン車の、遥かなる頂きに座り眠る女の子を見た。
その頂点は天を突き破り月を見い出し、降り注ぐ光は存在を闇夜に浮かぶ魂のごとく浮かび上がらせる。
背景は黒く雑に塗り潰した木々の葉の形に切り取られ、ざわめく音が場を支配する。
先程まで鳴っていた砂利を蹴る足音も、某然と立ち尽くす私と共にその場に溶けた。
柔らかな風は長い髪を棚引かせ、揺れる体は今にも潰えてしまいそうで線香花火のような幽玄な儚さを感じさせる。
その光景はとても幻想的で、信じられないバランス感覚でそこにいた。
飴細工のように触れることを拒む姿を、私は見つめることしか出来ない。

やがてその子は目を開き、両腕を左右に開いて立ち上がる。
リズム良く確実な歩みでクレーンを下る。
ふわりと、何事も無かったかのように地上に降り立ち、砂利を踏みしめながら木々のざわめきに消えた。

私は足に杭を打たれたかのように動くことが出来ない。






女の子が、落ちたと噂に聞いた。入院しているらしい。一度話をしてみたいと思い、近くの病院を探した。

そこには、包帯に包まれ、無数の管を体に通された痛々しい姿があった。

「初めまして、と言いたいところだが、僕は君を見たことがある。クレーン車の天辺で、だ。どうしてあんなところで眠っていたのか、教えてくれないか」

『……私は夢遊病患者なの』

「夢遊病?」

『寝てる間に勝手に変なところに行ってしまうの。主に高いところに登っていることが多いわ』

「危ないじゃないか。部屋に外から鍵はかけてないのか?寝ている間に外に出てしまわないように」

『昔はそうしていたわ。でも今はしてないの。周りの人にも秘密』

「どうして秘密にするんだ。危なくて見ていられない。現に君はこうやって怪我をしたじゃないか」

『昔はそうして部屋に鍵をして寝ていたわ。両親に外から鍵をかけてもらって。文字通り箱入り娘のように扱われていたの。だけども私はそれが嫌で、閉じ込められているときにはいつも悪夢を見ていた。永遠にそこから出られなくなる、永い永い悪夢を』

『両親が死んだのは最近のこと。それから私は寝る時には寝ている私の自由にさせようと決めたわ。とても楽しかった。夢の中の私は解放され、 悪夢を見ることも無くなった。けれども、起きたときに見知らぬ高い場所にいることも多くて怖かった。それでもやめなかった。夢うつつに死ねるのなら、それでもいいと思ってた。夢の中の私になら殺されてもいいとさえ思った。夢の中で現実の自分が死ねば、私は夢で永遠になれると、そう信じていたわ』

『そしてその日が来た。私は落下する夢を見て、突如、痛みに目覚めた。落ちていた。痛かった。私はまだ、生きていた。そして今。覚悟はしていたつもりだったけど、こうなってしまうと意思は弱まってしまうわね。そもそも歩けないし。夢の中の私は一体この状態でどうするのでしょう。医者にはもちろん夢遊病であることは伝えてない。あなたも内緒にしておいてね。ちょっぴり恐怖心が芽生えちゃったけど、それでもこれからも夢の中の私にすべてを任せるわ。私は夢の中で生きたい』





数日後、女の子が落ちて亡くなったと知った。
あの子は果たして、夢の中に生きることは出来たんだろうか。

2013年2月13日水曜日

The Cave "ブラックジョークはお好き?"


 The Caveはストーリーテーリングとブラックジョークが全てであり、そこに魅力を感じる人は短いながらも濃密で充実した価値ある体験を得られるだろう。

 プラットフォームはPSN/XBLA/PC/Wii U。私はフレンドからsteamのギフトでプレゼントして頂いたのでプレイしたのはPC版だ。
 私がこのタイトルの存在を知ったのはそのフレンドにギフトであげようか?と提案されたときであり、恥ずかしながら全く存在を知らなかったタイトルである。
 開発はDouble Fine Productions。その開発に参加しているRon Gilbert氏はマニアックマンション、モンキーアイランドなどのアドベンチャーを中心としたゲームで有名らしい。私が生まれた前後のタイトルだ。これも知らなかった。
 つまりこのゲームに触れたときには、初見のタイトルをほぼ先入観無しでプレイするという状況にあった。基本的に自分で買うときには初めにレビューを見、その中でも高評価なゲームで自分に合ったソフトを選んで購入し、遊んでいるので、こうした流れで触れることはとても珍しく貴重だ。


 折角頂いたのだからとプレイし始めたThe Cave。ジャンルは2D横スクロールアクションだがアクション要素は薄く、主にパズルを解きながら洞窟を進んで行くアドベンチャーゲームだ。
 まずOPは洞窟の語りが入る。このゲームは、擬人化された洞窟がそれぞれ個性的な背景も持った7人の主人公たちをその洞窟内におびき寄せたところから始まる。目的は洞窟からの脱出。
 OPが終わるとその7人の主人公から3人を選ぶことになる。選んだキャラクターにはそれぞれ個別のシナリオがあり、全キャラの共通ルートの合間に個別ルートを解いていくことになる。7人から3人を選ぶので、全キャラの個別ストーリーを見るためには最低3周必要だ。ということは共通ルートでは全く同じパズルを3回も解かされることになってしまう。1周は初見で4時間だったのでそれほど長いゲームでは無いのだが、同じパズルを解くことは単なる作業でしかない。


 準備が出来ると洞窟に潜っていく。OPから引き続き、洞窟の語りを聞きながらパズルを解き、進んで行く。その語りは軽妙で、温かみのある演技に腹黒いブラックジョークを混じえてステージ間の移動も退屈させない。このブラックジョークはThe Cave全体の作風であり、洞窟の語りや個別ストーリーでの一貫としたテーマになっている。もしあなたが物語は全てハッピーエンドで終わらなければならないという思想を持っているのなら、今すぐここで引き返すべきだ。ここには自分さえ良ければそれでいいという利己主義者しかいない。それもプレイヤーも思わず顔が引きつるほどの、とびっきりの。



 洞窟の道中には各キャラの過去が記されたスライドが散らばっている。この模様をタッチして収集していくことになる。全てを集めるとスライド形式でそのキャラの個別ストーリーに至るまでの背景を知ることが出来る。オブジェクトは意地悪な地点には置かれていない。能動的に探さなくても、目には入ってくる。パズルを解いている過程で自然と集まるだろう。


 7人の主人公はそれぞれ固有の特殊能力を持っており、それを活用しながらパズルを解く場面もある。とは言え個別ルートの極一部であり、そこまで頭を悩ませるほどのものではない。固有能力を使えると少し楽しくなる。その程度のものだ。
 基本的には選んだ3人のパーティーを順々に動かし、アイテムを拾って使い、ギミックを解く。固有能力はアクセント程度で、やれることも少ないので単調に感じるかもしれない。また3キャラを一人で動かすので移動がとても煩雑で、試行錯誤にはストレスが溜まる。しかし十分に手応えがあり、達成感を得られるパズルである。

 そういったパズルに対する不満はプレイをしている最中にはあまり感じない。何故ならそのパズルが解くためだけのものではなく、ストーリーテーリングの肝となるギミックになっているからだ。パズルを解くことによってお話が完成する。度重なる悲劇を引き起こすギミックを作り上げたのはあなただ。洞窟がお話の顛末を黒い笑いと共に語る。あなたもパズルを解きながら勘付いていたであろう、悲劇を生み出すギミックに。

 The Caveのシナリオは皮肉混じりでとても面白い。ブラックジョークは冴えている。そして大事なところはシナリオとパズルが一体化しているところにある。見ているだけのムービーは存在しない。体験とシナリオが結び付く、他ではないまさにゲームならではの楽しみを味わうことが出来る。

 3周通してプレイ時間は約9時間。2周目以降は共通ルートがわかっているために早く終わった。個人的な趣向として、ボリュームが少なめのゲームでもその時間を楽しめれば納得するので、満足度は高い。これは人から貰い受けたソフトだが、もちろん自分で購入したソフトも含めての話だ。最近のsteamのゲームはセールでとても安く購入出来るので、さらにその傾向が強まっている。大作だろうと開発費に依らず安く購入出来てしまうので、一体ゲーム事業はこの先大丈夫なのか?と老婆心ながら心配してしまう。

 ここまで紹介しておいて申し訳ないのだがどうやらXBLAでもsteamでも日本からはまだ購入できないようだ。パブリッシャーがSEGA of Americaなので滞っているのだろうか。日本語の字幕データは存在するのでいずれは配信されるだろうが……。
 PC版の話になり、また保証は出来ないのだがsteamコード自体は利用でき、日本語化も可能なのでsteam以外のサイトでsteamコードを購入し、DLすることでプレイは可能だ。
 まぁお勧めと言うよりもこういう体裁で書いてみようと思い立っただけなので、 次からは普通に購入して遊べるようなタイトルを記事にするつもりだ。(いつになるかは神のみぞ知る)