2013年10月16日水曜日

『殻ノ少女』を終えて

TrueENDまで終わり。Innocent Greyの作品は初めて。
自分用の備忘録としてここに感じたことを残す。
殻ノ少女虚ノ少女について、特に配慮せずネタバレするので未プレイ者注意、というか見ないでくれ










































 強烈に来るようなワンシーンというのは無かったけれど、作品全体に漂う静謐な雰囲気を醸し出すCG、音楽、テキストのどれもが良質で、最初から最後まで没入できた。
 古風な文体については、時々見られる程度で中途半端かな?とも感じたけど、あまりガチで書かれても読みづらいからこのくらいがちょうどいいんだと思う。
 ストーリーについては、どうやら魍魎の匣に酷似しているらしい。まだ読んでいないので、 どの程度なのかはわからない。
だがこの猟奇的なシナリオには怪奇幻想の美しさがあると首肯せざるを得ない。江戸川乱歩の作品名を章題に用いたのはきっとその素晴らしき怪奇幻想の世界を表現したいのだという意思の現れであろう。
 私はグロテスクな解体シーンを見せられながらも、殻ノ少女たちにある種の美しさを感じてしまった。そこには宗教的な美が存在していた。
真犯人である六識命が裏で糸を引き、カウンセリングを通じ二人の犯人を煽動した。
その根底に存在する間宮心像の美学、それは伝播し、派生していった。
この作品の構成には感嘆させられてしまう。

 作中で特に印象的だったシーンは、
冬子が一人彷徨い湖の中に立つシーンと、
 



やはり殻ノ少女の絵とラストの雛が飛び立つシーン。


 本作でのテーマである冬子という少女について、自分なりに軽く考察をした。

 TrueENDの冬子を抱く選択肢では、絵が完成していた。絵が完成したからもう少し手直しをしたら見せてあげるよと言い、実際に最後には絵を見に行った。
 

対して抱かない選択肢を選んだときには、同じ場面でも絵が完成したとは告げていない。最後の選択肢も現れず、恐らく絵は完成しなかった。
また、虚ノ少女に関して少し調べると、どうやら冬子は妊娠していた(重大なネタバレだから一応反転して伏せる)らしい。

 私は殻ノ少女というのはそのまま冬子が殻であることを示し、青い雛はその子どもを表現しているように思う。
結局どのエンドでも冬子の依頼の答えを伝えることは出来なかった。
しかし、あの絵には次代への切なる願いが託されている。
 

好きな会話とか。 
 

紫はしっかりものだけど変人で可愛い。

 
ところでどのエンド行ってもあの子死んでるのつらい。スキップで何度もあのシーン見せつけられた。てっきりどこかで救われるものだと思っていたのに。一番気に入ってたのかもしれない……。

(ちょっと違うスクショはiPhoneでリモートデスクトップで進めてる時にキャプチャした)